給食の時間は、友だちや先生たちと一緒に楽しく食事をすることができる貴重な時間です。このような環境では、会話が弾むことで自然と食欲が増し、食事の摂取量が多くなることがあります。そのため、普段よりたくさん食べる子や、何度もおかわりを求める子が出てくるのもよくあることです。しかし、子どもたち一人ひとりの体格や必要な栄養量には個人差があるため、どれくらいまでおかわりを許可するかについては、いくつかの観点から考える必要があります。

1. 子どもの食べ方の様子を観察することの重要性

おかわりを求める理由はさまざまで、「友だちが食べているからつられて食べたくなる」「好きなメニューだからもっと食べたい」「お腹が空いているからたくさん食べたい」などが挙げられます。しかし、中には満腹を感じているにもかかわらず、周りの影響でついおかわりをしてしまう場合もあります。特に異常な量を食べようとしたり、極端に早食いをして何度もおかわりを繰り返す場合には注意が必要です。このような場合、子どもの健康に悪影響が出る可能性があるため、おかわりを制限したり、ゆっくり食べるよう働きかけたりすることが大切です。

2. 肥満や偏食への配慮

もし特定の子どもが頻繁におかわりを求め、体重が増えすぎている、または偏った食べ方をしている場合には、園での対応だけでなく家庭との連携が重要になります。保護者と相談し、子どもの成長や健康を考慮しながら食事量を調整する方法を共有することで、家庭と園の両方で一貫した対応ができるようにしましょう。

3. 給食の提供量とおかわり分について

給食は、子ども一人ひとりの目標エネルギー量に基づいて設計されています。おかわり分を初めから多く用意するために食数を増やすことは、給食費が固定されている中では難しい場合が多いです。また、おかわりを何度も許すことで、その子どもの栄養摂取量が目標値を大きく超えてしまう可能性もあります。そのため、おかわりについては、他の子どもたちとのバランスも考えながら適度に分配するよう工夫することです。

例えば、欠席した子どもの分の給食が余る場合には、それをおかわり分として希望する子どもたちで分け合うことで調整できます。ただし、人気のあるメニュー(カレー、からあげ、ハンバーグなど)の場合は、みんなが欲しがってすぐに足りなくなることもあります。このような場合は、どうしてもおかわりができない子が出ることもありますが、これも一つの学びの機会だと捉えて、仕方がないことだと受け入れてもらうことも大切です。

4. 工夫による満足感の向上

人気メニューが提供される日は、普段あまり食べない子どもが1人前を食べることもあり、結果として料理が残らずおかわりができない場合もあります。そのような日には、他のメニューに噛み応えのある食材を加えることで満足感を高めたり、おやつの内容を工夫して食事のバランスを補ったりすることが考えられます。これにより、子どもたちが「おかわりができなかった」という不満を減らすことができるでしょう。

5. 子どもたちの食事習慣を見守ることの大切さ

おかわりを求める子どもたちの食事量や食べるスピードを観察し、必要に応じて声をかけながら、健全な食習慣を身につけられるようサポートすることが保育士の大切な役割です。一方で、食事は楽しい時間であるべきですので、無理に制限をかけすぎず、子どもたちの気持ちを尊重しながら対応するよう心がけましょう。