言葉がなかなかでない子は口の中の発達が遅いことが原因の一つにあげられます。言葉が話せるようになる体験ができない環境では、言葉が話せるような身体の機能が育ちません。今回は口の中を発達させる食環境についてお話しします。

ごはんを食べる時、赤ちゃんは口のまわりを汚してしまいます。保育参加やイベントで保護者の方に参加をしてもらい、給食の様子をみていると、赤ちゃんの口の周りが汚れたらすぐにキレイにしてあげるパパやママの姿が目立ちます。

逆に口を拭かないでいると、気持ち悪いと感じれば、舌をペロッとだして口の周りを舐めるようになります。そんな舌の動きが実は言葉を話す機能を育てる大切な体験となります。もちろん、気持ち悪くて舌でとろうとしていること自体が立派な成長の一つです。

そうはいっても、肌が弱くて口の周りに食べ物がついてしまうと赤くなってしまう子については、すぐに拭いてあげてくださいね。肌が弱いと育たないわけではないので安心してください!

離乳食を食べるだけで、例えば5〜6ヶ月なら、唇を使って口の中に入れて、舌を前後に動かします。そこから少し成長すれば、食材をつぶさなくても前の歯茎を使ってかじり取ったり、噛み砕いたり、舌を今度は左右に動かして奥の歯茎に入れて飲み込めるようになってくる…といった流れで口が成長していき、食事の形態も普通食に近づいていきます。

舌だけでなく、唇もとても大切で、かたさ・温度・味など、さまざまな感覚を得ているため、スプーンを口の中に入れてしまって食べさせていると、そのまま食べ物を飲み込む癖もつき、これらの感覚が育ちません。

食べる機能が育てば、話す機能を育てることにつながります。言葉を発するには、舌・あご・唇などの動きがしっかり育つような環境をつくるように、成長をゆっくり楽しむようにしましょう。