食空間を上手に作ることで、こどもの心と身体が元気に育ちます。3つの年代に分けて環境を作ることで、スムーズに対応できます。保育園でも指導しているそんな3つに分けた年代別のポイントをご紹介します。 

 園の食空間をプロデュースすることも、わたしの仕事の一つなのですが、こんなことを大切にしています。

 心も身体も頭も作り、あらゆる体験ができる食事の時間がこどもたちにとって一番大切です。その時間を一人一人のこどもたちにとって、いかに素晴らしくするかを考えると、やはり年齢別の配慮が必要です。

 ポイント1 0歳~歳6か月までは、「安心できる食空間」

 この時期は、食を通して大人との信頼関係を築くとき。ここは安心な場所なの?私は愛されているの?といったさまざまな思いを確かめるため、パパやママの表情や反応をいつもチェックしていています。そのため、こどもが首を上に向けなくても、パパやママの表情が見られるような家具を使うこと。

 ポイント2 1歳6か月~歳までは、「集中できる食空間」

 この時期はなんでも一人で取り組もうとする自立心が芽生えるとき。一人で食器やおもちゃを片づけたり、手を洗ったり、スプーンをもって食べたりしたい。けれども、なかなか自分の思い通りにできずにイライラして、「イヤイヤ」の連続。チャレンジする気持ちを尊重しながら、「一人でできた」という達成感を味わえる環境づくりが不可欠です。

それには、集中できる環境にポイントをおいて、一人で食べるスペースを作っておきながら、パパとママとも一緒に食べられるといった空間を作り、自分で選べて、しかも適度な距離感が作れるように、動かせるようにまた、食事の時間だけでもテレビを消して、食事に集中させるようにしましょう。

 ポイント3 3歳~5歳までは、「楽しめる食空間」

 この時期は、周りに興味や関心が向き刺激は受けますが、食事に集中することもできるようになってきます。

協調性が芽生えるときなので、パパやママだけではなく、たまにはお友だちなども呼んで食事ができる空間づくりがいいですね。どんな気持ちも受け止めてくれるパパやママではなく、自分の思い通りにはならないお友だちと会話や食事を楽しむことで、いろいろな人がいることを知ります。それによってコミュニケーション力や社会性、他人の気持ちがわかる優しいこころを育みます。

 よって、この年齢になったら、お部屋を季節や、食事のテーマによって飾り付けしてあげると、空間を目で楽しみながらおいしく食事をすることができます。

 もちろん、ワクワクする空間には一緒に食べる人が必要です。それも空間づくりに大切なこと。一緒に食べるパパやママがニコニコして楽しそうに食べていると、それだけでこどもはうれしくて楽しい時間になるのです。