季節を食で楽しむ行事食。ポイントをうまく取り入れて食を楽しむだけで、こどものさまざまな能力を伸ばし、さらには一生の思い出に残る感動を与えることができます。皆さんもぜひ試してみてくださいね!
保育園では季節の行事を大切にします。
例えば、春の七草のシーズン。七草を買ってきて、手に取り、においをかいだり、絵を書いたり、しっかり観察。
その後、七草を食べるようになった由来を話します。
最後はもちろん、その七草を目の前でおかゆにしてみんなでいただきます。七草粥は、みんなが好む味では決してありませんが、とても喜んでおいしいと言って食べてくれます。
園で行事食を大事にするのは、日本の文化を後世に残す意味もありますが、四季を感じて楽しむという感性を高めるためにも行っています。
行事で大切なのは、なぜその行事があるのか理解することです。
春の七草といっても1月7日に食べるのは、その一年の無病息災を願うということと、お正月に食べ過ぎや飲み過ぎで疲れた胃を休め、野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養を補うためものなのです。
こどもたちにはちょっと難しい話ですが、これをわかりやすく保育士たちが説明します。するとどうでしょう。
こどもたちは取り合いになっておかゆを食べます。そうです。魔法がかかったのです。
これは特別なものではありません。好き嫌いが多い野菜であっても、みんなを強くしてくれると話すと、一口食べてみるというのです。
食事を出すときには、「○○ちゃんが元気になるように、今日はこんな料理にしたよ!」「この野菜はとてもいいお野菜で、すごくおいしいから食べてみて!」といった言葉があるかないかで、料理の価値が変わります。
毎回暗示をかけてあげることで、同じ料理なのに、おいしく感じて、栄養価が高まる。料理の価値がぐっと上がるので、食べる前に一言いってみましょうね。