時間がかかる原因として、生活の自立、食べ物への興味、意欲、好き嫌い、噛めない、飲み込めないなどの問題が考えられるため、その原因をさぐることが解決の一番の近道です。

 中には生活リズムを整え、遊びの充実により空腹を体験させただけで改善される例もあります。

 また、食べるのが時間がかかる子がいた場合、家庭環境から問題はないか考え、保護者と一緒に対応するようにしています。

 何か家庭で心配なことがあったり、ストレスがあるだけで、食欲が落ちてしまうものです。だからこそ、食べている姿だけで判断せずに、普段と変わったことはないか、生活全体を振り返る必要があります。

 保育園では30分~40分かけてゆっくり食事を楽しむようにしていますが、小学校に上がって、急に食事の時間が20分になります。なんと半分の時間・・・

小学校に上がって給食の時間が苦痛に感じるこどもが多いのは、これも大きな原因の一つ

 しかし、それについて何を言っても、時間が長くなることはないので、年齢があがるにつれて、時計を見て食べる習慣を付けるようにしましょう。

 その時、決して早く食べるようにせかすのではなく、時計をみて、時間配分を考えさせるようにすると考えてください。

 何度も繰り返し、時計を見るようにしていると、自然にペース配分をつかむようになります。

 途中で手が止まってしまっても、早く食べることを促すのではなく、時計を確認させて「今何時だろう?食べられるかな?」と自分でペースを早めておこうと考えるようにならなくては、ただの押し付けになってしまいます。

そうなると、余計に食事の時間が苦痛になり、時間が延びてしまうといった悪循環がおきるので、あくまでも、気づきを与える声掛けを心がけてください。

 大切なことは、食べなくても、食卓には旬のものを取り入れた料理を並べること。こうすることで、こどもの将来の食生活が確実に豊かになります。

 子育ては、今目の前にいるこどものためだけでなく、将来のこどものためにもなりますので、しっかりと愛情を注いであげましょう。